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なぜエンジニアの技術情報は共有されるのに、キャリア情報は共有されないのか

2026/6/21

技術情報は共有されるのに、キャリア情報は閉じている

エンジニアという仕事ほど、知識共有によって発展してきた職業は珍しいのではないでしょうか?

基本的に私たちソフトウェアエンジニアは日々、誰かが残した知識の恩恵を受けながら仕事をしています。

新しいフレームワークの使い方や最近登場したAI技術について調べたい場合は、QiitaやZennなどのブログを調べますし、YoutubeやInstagramのような大規模サービスの設計についても技術ブログやカンファレンス資料を探せば多くの知見に辿り着くことができます。

私たちは普段からそうした共有された知識を前提として学習しています。誰かが書いた記事を読み、誰かが公開したコードを参考にしながら成長するのが当たり前になっています。

しかし、キャリアの話になるとどうでしょうか?

・ ある企業の面接ではどのような質問が出るのか?

・ どのようなスキルが評価されるのか?

・ どの程度の年収レンジが存在するのか?

こうした情報を調べようとすると途端に難しくなります。もちろん情報が全く存在しないわけではありません。口コミサービスもありますし、個人ブログやSNSで体験談を共有している人もいます。しかし、技術情報の世界と比較すると、その量も質も十分とは言えません。

一方海外ではどうか?

海外には Levels.fyi のようなサービスがあり、企業ごとの年収レンジや職位ごとの報酬体系をかなり細かく確認できます。GoogleやMetaなどのビッグテックの面接情報も驚くほどオープンに共有されています。

面接体験記だけでなく、まるで大学受験の赤本のような対策本や模擬面接サービスまで存在していますが、それによって採用活動が機能しなくなったという話は聞きません。

むしろ海外ではキャリア情報をオープンにしていることによって、エンジニアの競争が激化し年々レベルが上がっている気がしています。

アクセスできない人たちの情報格差

キャリア情報へのアクセスという観点では、日本では東京が圧倒的に有利です。 私は地方企業で勤めていたことがありますが、技術情報の勉強で困ったことはほとんどありません。一方で転職や面接の話になると急に情報源がなくなります。

地方にも優秀なエンジニアは多いですが、周囲に転職経験者が少なかったり、エンジニアコミュニティがない、学生だとインターン先がないなどもあります。

能力がある人が情報不足によって挑戦そのものをする機会がなくなってしまっているという現状は非常に勿体無いと思ってしまいます。

キャリア情報もオープンソース化できるのではないか

私は、キャリア情報も技術情報と同じように共有される価値があると思っています。先述した通り、ソフトウェア業界は情報共有によって発展してきました。

OSSが公開されるとその上に無数のサービスが生まれ、優れた技術記事が公開されると効率的に学ぶことができ、誰かが問題の解決方法を共有することで、別の誰かが同じ失敗を繰り返さずに済むようになりました。

技術情報の共有が優秀なエンジニアを育ててきたように、キャリア情報の共有は新しい挑戦者を増やします。これまでなら応募しなかった人が応募するかもしれません。自分には無理だと思っていた人が挑戦するかもしれません。地方に住んでいる人や、異業種から転職を目指す人にも新しい選択肢が見えるかもしれません。

おわりに

私は情報を持っている人だけが有利になる世界よりも、誰もが必要な情報にアクセスできる世界の方が健全だと考えています。

技術情報が共有されることでソフトウェア業界が発展してきたように、キャリア情報の共有もまた、より多くの挑戦を生み出す可能性があります。

能力があるにもかかわらず、情報不足によって機会を逃してしまう人が少しでも減ること。そして、これまで見えなかった選択肢に挑戦できる人が増えること。

そのために、キャリア情報も技術情報と同じように共有される文化が少しずつ広がっていけばいいなと思っています。

技術情報の共有がエンジニアの成長を支えてきたのであれば、キャリア情報の共有もまた、次の挑戦者を支えるインフラになれるのではないでしょうか。

補足

私はこうした課題意識から、エンジニア向けの給与・面接情報共有サービスを作っています。 まだ小さなサービスですが、もし同じ問題意識を持つ方がいれば、感想をいただけると嬉しいです。

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